拝啓 井門義博です
拝啓 井門義博です
機関庫全焼
09年09月14日 17:03:00 | 国鉄時代
写真再使用 追分機関区は大正7年にも全焼しているんですね。
機関区というものは、たとえコンクリート製でも床にたっぷり油を染み込ませているので、火災が一番怖いです。
今回は二年前、D51603に会いに行った話です。
D51603は蒸汽機関車として苗穂工場最終出場車(中間検査A)と言う事から各所に白線が入り、ロッドには赤が入り、煙室扉ハンドルは十文字(大宮工場タイプ)という華やかな出で立ちでした。
追分機関庫火災で多くのカマが焼け落ち、241(最終列車牽引機)や465(最終の2本前の列車を牽引)は墓標となっているわけですが・・・
最終の1本前の列車を牽引したD51603は?
D51603は蒸汽機関車の保管で有名な共栄興業で大事に保管されて居ました。
もちろん焼け残った一部分だけです。
トロッコ嵯峨野で公開する事になりました。

京都、トロッコ嵯峨野駅に隣接して「19世紀ホール」という施設があります。
D5151と突拍子もない動輪のオブジェが迎えてくれます。
上りトロッコ列車で到着した人は19世紀ホールに直接入って仕舞うかもしれません。 そうするとこの有様は外に出て目にする最後の情景です。

共栄興業に一緒に保管されていたC5698とC5848に囲まれてD51603が有りました。
19世紀ホールと言うからには19世紀の蒸汽機関車を見せて欲しいです。
近代蒸機が並ぶ姿は20世紀ホールというのが妥当じゃないでしょうか。


煙室で切らず、ボイラー煙管を僅かに残しています。
煙室扉のハンドルは通常タイプが付いています・
これは、12月24日当日、追分から一度も出さなかった虎の子の好調機D51241に最後の花道を任せるに際して、せめてもの薄化粧としてD51603の華やかな十文字の煙室ハンドルを241のモノと交換したのです。
ですからこの煙室ハンドルはD51241だ!とも言える訳です。
と思ってD51241の墓標の写真を見ると、これも普通の煙室扉ハンドルですね。
D51603→241に付け直したハンドルは何処に行ってしまったのでしょうか。

この機関車は廃車ではなく保留と有りますが、間違いだと思います。
廃車は昭和51年3月10日の筈です。
その日に一斉に廃車され、その一斉に廃車されたカマを「51年ガマ」と呼ぶ人が居ます。D51603も3月10日に廃車された後で4月13日に焼けても、廃車済みであることに影響はありません。
また、細かい事ですが、D51は製造当初最大蒸汽圧は14kg/c㎡ですが、戦時型が蒸汽圧15kg/c㎡で落成すると同時にそれ以前のD51全てが最大蒸汽圧15kg/c㎡に変更されました。
14→15kg/c㎡にあたって戦時中でもあり、何も手を付けていないと思われます。
D51はC55(最大蒸汽圧14kg/c㎡)に続いて14kg/c㎡でデビューしましたが、直後C57が最大蒸汽圧16kg/c㎡でデビューしています。
その使用経験から既に14→15が妥当という判断が有ったのではないでしょうか。
(実質的には安全弁の調整で早くから最大蒸汽圧が変わっていたかもしれません)
話は逸れますが、C61はC57と同じエンジン(=シリンダーから動輪まで)を持っていますが、D51のボイラーなら最大蒸気圧は15kg/c㎡のはずです。
そうなるとC57より蒸気圧が低い分だけ非力になってしまいます。
それに関しても、ファン向けの資料ではC61は15kg/c㎡と言う事になっているけれど、16kg/c㎡で運用されていたのではないでしょうか。
C61も「改造」名目で落成していますが、改造の根拠となるボイラーは昭和30年代早々に新品に交換されてしまっています。
C57のシリンダーに蒸汽を送り込むボイラーはその時までにはC57、C59、C60と同じ16kg/c㎡になっていると想像されます。
そしてこの説明にD51の最大馬力1566psと有ります。
一般的にはD51の出力は「1280ps」が有名です。
蒸汽機関車の出力については、先進諸国のようにダイナモメーターカーが有れば計測できるかもしれませんが、日本の近代機では計算で出した馬力だけが残っているようです。
その計算は「最大蒸汽圧の80%」として計算するようです。
すると、かなり低めの馬力が出るわけですが、この1566馬力という計算が何処から来ているのか少し興味があります。
ここでも1280psはおそらく14kg/c㎡の80%で計算していますので、不当という言葉が適切なくらい低すぎる見積もり馬力だと言えそうです。
14kg/c㎡×80%=11.2kg/c㎡
15kg/c㎡の機関車の蒸汽圧が此処まで下がるのは、蒸汽を使い切って峠を越えてボイラーに注水したところという感じです。

D51603参拝に行った仲間と在りし日のD51603の遺影(奥井伴彦撮影)
左端は我等中国「鉄」のバイブル写真集「大陸の煙」の著者の一人古谷邦雄さん。
右端「国鉄時代」編集の山下修司さんが登場!記事カテゴリ;国鉄時代 をはじめるのに相応しいです。
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