拝啓 井門義博です

拝啓 井門義博です

“ドレスデン蒸機祭”2日目

15年06月16日 23:08:00 | 海外蒸機
水沼先生の“ドレスデン蒸機祭”レポートをお送りします。

っと、その前に東独時代のドレスデン中央駅の様子を紹介します。

1976/77冬、ドレスデン中央駅遠景


1977-01-02 01 066 現役時代 D378“Istropolitan”

ドレスデン中央駅は中央部分が地上階終着駅行き止まり式ホーム、両側各2面4線程度の通り抜け式高架ホームに成って居ました。 通り抜けるとチェコスロバキア方面に繋がって居り、国際列車は高架ホームに発着です。 01 066 が停車しているのは高架ホームの中でも一番南東側の19番線、列車はスロバキア・ブラチスラバからチェコ・プラハ経由でベルリンに向かう【イストロポリタン】1976/77冬この区間186kmを途中4駅停車で9:23発11:34着所要2時間11分表定速度85.2km/Hです。


1976-07-23 01 207 D678

これが中央部=地上部分です。
SSV「都市間急行」など国内列車は此処からの発着でした。 ベルリンやライプチッヒ、ゲルリッツ方面だけではなくカールマルクスシュタット方面行き(機関区脇を通ります)も此処からの発着です。
写真奥、突き当り駅舎には“Mitropa Express”というセルフの人民食堂が有り20:00を過ぎる温かい料理の提供が終了して冷たくて堅いパンと腸詰めだけになってしまいます。 D678 が発車するのは20:16ですから温かい食事にありつく公算は低いと言えました。
(ホテルで食事をすると言う発想は有りませんでした…朝も早い…4:37発に乗車ですし)

それにしても、あまりにも変わっていない3連ドームの中央駅の姿に衝撃を受けます。

    しかも、「DB」のマークが掲げられています。



第2日

 翌朝、目を覚ますと一部に晴れ空が広がっている。 しかしドイツのこと油断はできない・・・予報では曇りになっている。
 今日はドレスデン中央駅へ向かう。 ドレスデン中央駅は大きなアーチが特徴の駅、午前9時に35型の牽く列車が出発予定だ。







ホームには無火の 03 が古い客車とともに止まっている。





 35型がバックでやってきた。







 松岡君はホームより陸橋を好む、いつもの様に駅のそばの陸橋へ向かった。 架線がうるさいがここで撮影することにする。











 晴れた空の下、勢いよく煙をあげ、35型の牽く列車がドームから飛び出してきた。 この短い時間にも次々と列車が現れ、ここがいかに交通の要衝の地かがわかる。

 この後は名取さんの情報でオシャッツへ行き、ナローゲージの列車を捉える。 アウトバーンを急ぐが、今回のベンツはディーゼルのCクラスで時速200kmがやっと、カーブも結構ふらつき怖い。 昨年の井門、林のベンツ組は自分のポルシェ911によく付いてきたモノだ。 
 結構時間ぎりぎりにオシャッツに着くと、昨日お会いした日本人3人を見かけて横で撮らせていただく。





 少し時間に遅れて煙を全く出さずに 99型が通過していった。
 このあたりはかなりナローゲージの鉃道が残っているようだ。 

 午後はエルベ川へ向かう。 松岡君はかなり予習してあるようで、まずピルナ駅前で午後一番の並走を狙う。



 しかしそこはドイツ、ぴったり並んでくることはない。
 まず、01 509 の牽く列車が全く煙をあげずに通過していった。





 待つ事しばし、緑色の電機機関車が現れた、直後に煙が上がっている。





 このE77型機関車は、古生代の生物のようだ。 緑色に3連接の車体、ロッドをクルクル回らせながら通過して行く。



 続けて 01 1066、客車の列がすぎると最後は 118型ディーゼル。



 ルーマニア製で1980年代のザールフェルトには結構居た。 蒸機末期の日本のDD51のように嫌われていたが、今はUボートと呼ばれて結構人気らしい。 この辺もDD51と同じだ。

 このかなり奇妙な3重連のあと、この2列車はピルナ駅で合体し、エルベ川沿いを走る。 結構川幅が広く、回りの山も深い。 先回りして、ケーニッヒシュタイン駅のそばの丘に昇る。
松岡君は民家の裏庭をどんどん登って行く。 山系の苦手な私は追いついていくのがやっとだ。 丘を登ると10人を超えるファンがいたが、日本人が6人位いる。 撮り鉄はやはり日本人がメジャーなのか。



 雲が多く、かなり暗い。



  もうチェコ国境付近らしく、東欧風の機関車や国際列車も現れる。





  少し遅れて蒸気列車が現れた。 かなり長い。 結構なスピードでやってくる。



 先頭の 01 1106 がホイッスルを鳴らすとほんの一瞬、日が差し込んで2台の 01 を照らしてくれた。



 撮り鉄は釣りに似ている。
 お天気まかせで、ある時は一瞬で曇り、ある時は一瞬で晴れる。 今日はかなりついているがその後も雲は増え続けている。 



 松岡君とこの付近で帰りの列車も迎え撃つことにした。 駅前広場のレストランでランチ、ピザとスパゲッティ、ドイツの「味の平均」は結構低いが、この店の人は感じがよい。 

 ドイツが統一されて25年が過ぎた。 ここは旧東ドイツだったせいか西の諸州に比べて少し暗い気がする。 目の前を過ぎて行く列車も旧共産圏という感じだ。





 再び丘に登ると日本人が多い。 またも半分以上だ。 
 地元&少数派のドイツ人はいつものように動画が多い。
 なぜか日本の撮り鉄がたくさんドイツの国境付近の丘に取り付いてカメラを構えているのかは興味深い。 蒸気機関車が好きならばいろいろなアプローチがある。 蒸機列車に乗って汽笛やブラスト音に酔うのもよし、機関区に行って飽きる程ながめるのもよし、ボランティアになって機関車のパーツを磨くのもよし、極めればデトレフのように機関士になるのもよしだ。 

 撮り鉄は一瞬で、しかも肝心な瞬間に躍動する機関車はレンズ越しにチラ見するばかりだ。 おまけに山登りまでして、息をこらえて列車がくるのを待つ。 一体どこが楽しいのか?





 多分これを見て哀れんだザクセンの山の神でもいたのだろう。 遠くから汽笛が聞こえたと思うと、雲がその場だけ除かれ日が差し込んできた。

 にわかに明るくなり、あわててISOを下げると今度は背中から対向列車の音が大きく聞こえてきた。 赤いSバーンが左からレンズの中に入ってきた。

 おまけに駅の進入で減速をはじめた。



 東京から1万キロ離れたこのドイツの片田舎でかぶりか? そりゃないだろう。

 東十条なら京浜東北線に北斗星がかぶってもたぬきで苦笑いして飲んで終わりだ。 数分毎に来る京浜東北線はともかくSバーンなんて1時間に1、2本だ。 まさかの不運に呪いの一声を吐きそうになった。 しかし、蒸機列車は汽笛2声、駅でSバーンとすれ違うと悠々と目の前を通過していった。





 長い客車の列の後半はかぶっているが、何とか許せる範囲だ。 展開した小さな奇跡に歓声があがった。 隣のドイツ人も「ゼアーグート」と満足そうに。 仮に我々が撮り鉄の魅力から離れられないのならこの瞬間があるからだろう。

 ドレスデンに帰る途中デトレフに電話する。
 今日はコンサートがあるので機関区で飲もうということになった。 スケジュールを見るとなんとDampf and Dixieland (蒸気機関車とジャズ) という名のコンサートになっている。 松岡君がドイツ語で全部やってくれるので、楽だがさっぱりわからない。
 
 機関区へ着いた。 残照に照らされて01達が美しい。













 デトレフは満面の笑みで迎えてくれ 01 066 の運転室へ入れてくれた。

 



 男の仕事場という感じのキャブ内だ。 制限時速は120kmになっている。 鹿山さんがホイッスルに触るとボーッと大きな汽笛が響く。

























 01 118 の若いクルーが運転室に招待してくれた。



 01 118 の機関士さんはクリスチャン ボーデンス(Cristian Bodens)さんという名前だ。 運転台は高くてよじ登ると結構高い。 室内はより整然としている。 速度制限の表記はなんと時速130kmだ。







 クリスチャンさんは多分助手だと思うがまだ若い。 まだ20代前半と思われるが蒸気を熱く語る。 数ある 01 の中でこの 118 が急行機関車の牽引機であり続けたという。







 確かに増田、井門組はこのドレスデンで国際急行を牽く 01 118 を追いかけた。 山下、鈴木さん達もこの機関車を撮影している。
 ネルトリンゲンの 066 は永い間、ボイラー代用だった。
 137 は21世紀になって静態になってしまった。
 確かにこの 118 だけが尊厳を保ち、急行列車の先頭に立ち、今でも元気で活躍している。

 扇形庫は右端の 01 137 から2線分が空けけられステージが設置されている。 ビールとソーセージが用意されている。







 カルテットのコンサートが始まった。

 ドイツ人も上手だが、本場のニューオリンズで聴いた倦怠感と哀愁は表現できていない。 











 ここは昔、井門さんたちが東ドイツ警察にしょっぴかれ尋問されたドレスデンの町だ。立ち入りが厳しかったはずの機関区で40年後に片手にソーセージ、片手にビール、01の群れに囲まれてジャズを聞く。

 バーベキューの肉を焼く匂いと 01 の石炭の匂いが混じる。 01 には火が入っていて、時々に蒸気が漏れてくる。



 ほろ酔いかげんで地ビールを片手に構内をふらふら歩く。 01 180, 01 202, 01 118の赤い動輪の間を歩き回る。 外には 01 066 がいる。 ときおり蒸気が流れる。 ライトアップされていない暗さがちょうど良い。 01 オタクとしてはこのまま時が止まるのを願うばかりだ。








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